保湿スキンケアの重要性を痛感し、
試行錯誤を繰り返した結果…

医療法人社団 平泉こどもクリニック
理事長 平泉泰久先生

皮膚バリア機能という言葉をテレビや雑誌でよく目にするようになり、バリア機能の低下が乾燥肌・アトピー性皮膚炎と関連する事が親御さんにも認識されてきました。現在外来でも乾燥肌(アトピー性皮膚炎も含め)の相談は多くなり、学校内科健診でも地域によっては、生徒の半数が乾燥肌であるのが現実です。保湿スキンケアの重要性を痛感しています。

乾燥しバリア機能が低下したお肌は、外部からの様々な刺激にさらされて、炎症を起こし、発赤を伴う皮膚炎を起こします。したがって、皮膚バリア機能を良好に保つことが、各種皮膚炎の予防的意味合いを持つことが推測され、また実際国立成育医療研究チームによれば、保湿剤を毎日、約8か月間塗ることでアトピー性皮膚炎の発症率を32%減らせたと発表しています。

私のクリニックでは、セラミド入り保湿剤(AKシリーズ)をお勧めしていますが、10年前、1番適した保湿剤はどれかと市販品も含め、試行錯誤し試してみました。その結果コストパフォーマンス、塗布後時間がたっても肌水分量が保たれる事などからAKシリーズを見つけ出しました。そこでワセリン、ヘパリン類似物質、AKシリーズの3つを患者さんに使用してもらい“一番気に入ったものを使用しましょうね、後で教えてください”とお願いしてみました。その結果、なんとほとんどの方がAKシリーズを選ばれました。現在は自信をもってお勧めしています。

お肌のスキンケアの3つのポイントは、①きれいに汚れをとる②しっかり保湿する③紫外線対策の日焼け止めです。保湿の回数は、普通肌の方は朝とお風呂上りの2回でもよいと思いますが、乾燥肌の方はもっと回数を増やしていただきたいと思います。正常肌は24時間皮膚バリア機能で守られているわけですから。